第3次補正予算の成立を受けて国土交通省は、被災地での復旧・復興事業の迅速化・効率化に向けて適切な規模での発注に努めることなどを、各発注機関に21日付で通達した。下請けに対する請負代金の適切な支払いをはじめ、建設業法関係規定の順守を元請けに徹底することも要請。都道府県政令市にも参考送付した上で、管内市町村に周知徹底を求めた。
この通達は「平成23年度第3次補正予算等に係る国土交通所管事業の執行について」と題し、事務次官名で地方整備局など直轄事業を所管する機関のほか、気象庁などの外局や独立行政法人などに宛てて送付した。
この中では、東日本大震災から早期復旧・復興するため、補正予算による追加事業を速やかに実施する必要性を強調。その上で、入札契約手続きの実施に当たり、透明性・競争性を確保するとともに、総合評価方式での提出資料の簡素化などにより可能な限り手続き期間の短縮に努めるよう求めた。また、復旧・復興事業について、事業執行の迅速化、効率化に役立つよう、適切な規模の発注に努めることとした。
工事の発注に当たっては、被災地での前金払い割合の引き上げをはじめとした特例の活用や、地域建設業経営強化融資制度での支払い事務の迅速化などによって、建設業の資金繰り対策を特に強化するよう求めた。さらに、下請けに対する請負代金額の設定やその支払いが適切に行われるよう、建設業法など関係規定の順守を元請けに徹底する必要性も指摘した。
中小建設業への配慮としては、6月に閣議決定した「中小企業者に関する国等の契約の方針」の趣旨を踏まえ、被災者雇用などにも配慮しつつ、地域の中小建設業者などの受注機会確保に努めるよう求めた。
提供:建通新聞社