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2011/11/21

大震災での公共工事の損害 経審の完成工事高として計上可能に 国交省が審査行政庁などに通知

 東日本大震災への対応として国土交通省は、経営事項審査(経審)での完成工事高に関し特例措置を講じることを決めた。大震災の被災地で被害を受けた公共工事について、元請けが不可抗力による損害額の発注者負担分を受領している場合、この受領金額を完成工事高以外の勘定科目に計上していても、経審上の完成工事高・元請完成工事高として取り扱うことを可能とする。こうした考え方を14日付で審査行政庁や建設業団体に通知した。
 大震災では、完成前の構造物が数多く津波などによって流された。公共工事標準請負契約約款では、天災など不可抗力で工事目的物に損害が発生した場合、損害額から請負金額の100分の1を差し引いた分を発注者が負担することになっている。しかし、この発注者負担分は、経審の完成工事高として評価されないため、被災地の建設業界からは総合評点の低下を懸念する声が上がっていた。
 こうした状況を踏まえ国交省は、被災建設業への特例として、大震災の損害分を経審の完成工事高として評価することにした。対象工事は、東日本大震災に際し災害救助法が適用された市町村の区域で震災の被害を受けた公共工事のうち、不可抗力による損害に対する発注者からの支払いが行われたもの。民間発注者の工事や下請工事は対象とならない。
 元請けが発注者負担分を受領した日の事業年度に、受け取った金額を完成工事高・元請完成工事高に加えて審査を申請できるが、その際には損害の認定通知書の写しなど受領金額の確認が可能な書類を添付する必要がある。
 他方、通知では、工事進行基準などにより既に完成工事高として計上されている出来高相当額がある場合、今回の特例措置によって二重に評価することがないよう、審査行政庁などに注意を促している。

提供:建通新聞社