国土交通省は、2010年7月改正の公共工事標準請負契約約款に盛り込んだ現場代理人の常駐義務緩和に関する運用指針をまとめ、14日付で公共発注機関や建設業団体に通知した。この中では、現場代理人の常駐義務が緩和できるケースとして▽例えば、主任技術者または監理技術者の専任が必要とされない程度の規模・内容▽発注者または監督員と常に携帯電話などで連絡が可能―の要件をいずれも満たす場合などを例示した。
公共工事標準請負契約約款では、請負契約の的確な履行を確保するため、現場代理人に工事現場への常駐を義務付けている。しかし、近年は通信手段の発達に加え、厳しい経営環境下で施工体制の合理化が求められているため、10年改正で工事現場の運営、取り締まり、権限行使に支障がなく、かつ発注者との連絡体制が確保される場合、発注者が常駐を求めないことを可能とした。
どのような場合に常駐義務を緩和するかは各発注者の判断によるが、地方自治体などからは「国交省が一定の指針を示してほしい」との声が高まっていた。こうした状況を踏まえ国交省は、常駐義務緩和の運用に当たっての基本的な考え方を示すことにした。
それによると、常駐義務の緩和が考えられるケースとして「現場事務所の設置、資機材の搬入、仮設工事などが開始されるまでの期間」「工事すべての施工を一時中止している期間」を例示。さらに、▽例えば、主任技術者・監理技術者の専任が必要とされない程度の規模・内容である▽発注者または監督員と常に携帯電話などで連絡が取れる―をいずれも満たす場合を挙げた。
また、常駐義務の緩和に伴い他の工事の現場代理人・技術者の兼任可能な典型的な例も示した。具体的には、▽工事件数が2〜3件▽現場が同一市町村内▽発注者などが求めた場合、工事現場に速やかに向かう―のすべてを満たす場合などを想定している。
提供:建通新聞社