「建設産業の再生と発展のための方策2011」(方策2011)の具体化に向けて国土交通省は、「2011年度下半期監理課長等会議」を11月7日の北陸ブロックを皮切りに全国8ブロックで開くことを決めた。地域維持型建設共同企業体(JV)制度の在り方を検討課題に位置付け、地域維持事業の担い手となる地域建設業の現状や地域維持型JVに対する意見を都道府県の監理課長や契約担当課長から聞き取る。社会保険未加入企業の排除などの方向性も報告する。得られた成果は今後の建設産業施策に反映させていく。
地域維持型JVは、方策2011に盛り込まれた「地域維持型契約方式」の実施主体となるもの。現在、中央建設業審議会・社会資本整備審議会産業分科会建設部会の下に設けた基本問題小委員会で制度設計を進めている。11月には中央建設業審議会が共同企業体運用準則(JV準則)を改正し、地域維持型JVの性格や対象工事などを明確化するとともに、その活用を公共発注者に勧告する見込みだ。
JV準則が改正されれば、公共発注者はそれぞれ独自に定めているJV運用基準を見直す必要が出てくる。このため会議では、地域維持型JVを実際に運用する上で生じることが想定される課題などを洗い出し、円滑な運用が可能となるような方策を探る。
社会保険未加入企業の排除に向けては、建設業許可・更新時に保険加入状況を記載した書面の提出を求め、未加入業者に対して文書により保険加入を指導することを想定。指導に従わない場合には、保険担当部局に通報することも視野に入れている。各都道府県は許可行政庁として、こうした取り組みの主体となるため、必要な体制が確保できるかどうかを含めて幅広く意見を交換する。
このほか、▽現場代理人の常駐義務緩和の運用▽下請負人の見積もりを踏まえた入札方式の試行▽発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドライン▽建設業への金融支援▽建設企業のための経営戦略アドバイザリー事業―など、国交省が取り組んでいる施策を報告する。
各ブロックでの開催概要は次の通り(カッコ内は開催地)。
▽北陸(富山市)―11月7日▽中部(岐阜市)―11月9日▽四国(高松市)―11月10日▽関東(さいたま市)―11月11日▽九州・沖縄(大分市)―11月15日▽近畿(大阪市)―11月16日▽中国(松江市)―11月18日▽北海道・東北(札幌市)―11月25日
提供:建通新聞社