政府は28日、東日本大震災の被災地に規制・手続きの特例措置や税財政上の支援措置などを与える復興特区法案を閣議決定した。被災地の自治体が提出する規制・手続き・税制に関する「復興推進計画」、土地利用の再編に関する「復興整備計画」、財政に関する「復興交付金事業計画」を政府が認定し、被災地の復興事業をワンストップで、総合的に支援する。
政府は法案成立後、復興特区基本方針をまとめる。自治体はこの基本方針に従い、復興推進計画、復興整備計画、復興交付金事業計画をまとめ、政府に提出する。
復興推進計画に盛り込む特例措置は▽建築基準法律の用途制限▽農地転用許可・林地開発許可の一元化▽工場立地法などの緑地規制の特例▽法人税の特別控除―など。
一方の復興整備計画では、津波被害を受けた地域などを念頭に▽市街地開発事業▽土地改良事業▽集団移転促進事業▽液状化対策事業―などに関する許認可などの特例措置を盛り込む。また、土地区画整理事業と農地の改良などを一体的に施行する「復興一体事業」の実施も可能とした。
法案ではまた、第3次補正予算案に1兆5612億円を盛り込んだ復興交付金を活用する自治体が事業計画を政府に提出することも規定。交付金は▽道路整備事業▽土地区画整理事業▽病院耐震化事業▽学校整備事業▽農業農村整備事業―など5省40事業を対象とし、事業間流用や年度間調整などの執行上の弾力化を図ることで、自由度の高い性質とする。
政府は復興特区を活用した事業のイメージとして、メガソーラーやバイオマスエネルギー製造施設など再生可能エネルギーの大量導入を図る地域づくり▽研究開発拠点や拠点医療機関を整備した医療関連産業の集積拠点の形成―などを例示している。
提供:建通新聞社