政府の被災者等就労支援・雇用創出推進会議は25日の会合で、東日本大震災の被災者に対する第3段階の雇用支援策をまとめた。第3次補正予算案で実施する復旧・復興事業などで50万人の雇用を新たに創出。太陽光パネル取付など成長分野の公共職業訓練を拡充するなど、人材育成でも新たな支援措置を講じ、7万人程度の雇用下支え効果を発揮させる。
東日本大震災の復旧・復興事業に充てられた第3次補正予算案では、災害復旧・復興などインフラ整備のための公共事業や中小企業・農業支援策、被災地の自治体が活用できる自由度が高い交付金である「東日本大震災復興交付金」などを配分。 推進会議では、総額5・7兆円に上るこれらの復旧・復興事業が、35万人の雇用創出効果をもたらすと見込んでいる。
さらに、国と被災県が連携し、将来的に被災地の雇用創出の中核を担う事業に対する支援策も実施。施設・設備の再建や教育訓練などの総合的な支援措置を講じる「事業復興型雇用創出事業」の実施などで、15万人の雇用を生み出すとしている。
職業訓練の充実などで復興を支える人材育成にも力を入れ、7万人程度の雇用の下支えも行う考えだ。このうち4万人は、民間教育訓練機関などを活用した公共職業訓練や求職者支援訓練で拡充する。
特に、環境エネルギー分野などの新たな雇用機会が見込まれる分野を対象に「成長分野人材育成プログラム(仮称)」を立ち上げる。太陽光パネルの取付、省エネガラスコーティング、非破壊検査などを行う民間企業に委託し、現場の実態に合った実践的な職業訓練を実施するとしている。
25日の会合で国土交通省の津川祥吾政務官は「3次補正により、本格的な復興が始まれば被災地には特需が訪れるが、復興期間が過ぎれば仕事は急速に減る」とした上で「維持管理をいかに地元に担ってもらえるかを意識し、復興後を見据えて事業を考えていく」と雇用支援の重要性を訴えた。
提供:建通新聞社