国土交通省は、建設技術者の適正配置の徹底と資質の向上を目的とする技術者データベース(DB)の制度設計案をまとめた。DBの登録対象は主任技術者相当以上とし、このうち建設業法に基づく監理技術者は登録者の中から選定するよう義務付ける。選ばれた監理技術者は、自ら現場配置情報をDBに登録する必要が出てくる。登録促進に向けて、経営事項審査での加点措置などを講じることも視野に入れている。
技術者DBは、現在の監理技術者資格者証に代わって、発注者や許可行政庁が配置技術者に必要な資格や雇用関係を確認できる仕組みを想定。継続教育などの履歴を登録可能とすることで、技術者の資質や技術力の維持向上にもつなげていく。
国交省が24日の基本問題小委員会に示したDBの方向性によると、登録できる技術者の範囲は監理技術者、主任技術者をなり得る者を想定。登録情報は▽本人情報▽所属企業情報▽保有資格情報(監理技術者、主任技術者となり得る資格など)▽現場配置情報(工事名、施工場所、工期、専任の有無)▽資質向上情報(継続教育、表彰など)―とする。
監理技術者となるための要件として5年ごとの登録更新を求める。更新要件は、▽期間内に技術検定(1級)、技術士、一級建築士に合格▽保有する技術検定(1級)の学科試験に合格▽技術検定(1級)を受検し、学科試験だけに合格▽必修分野での継続教育の修了―などを想定している。
発注者には、監理技術者をDB登録者の中から選定するよう義務付ける。また、選ばれた監理技術者には現場配置情報届け出の義務を課す。
新規登録時に、登録直近の資質を確認する仕組みを設ける。経過措置として、既に監理技術者資格者証を取得しており、新たな仕組みとしてスタートする前に一定期間以内に講習を受けている者は資質確認を免除する方針だ。
提供:建通新聞社