国土交通省は、地域維持型建設共同企業体(地域維持型JV)の新設に向けた共同企業体運用準則(JV準則)の改定案を固め、24日に開いた中央建設業審議会・社会資本整備審議会産業分科会建設部会の第2回基本問題小委員会に示した。9月30日の初会合時点での制度設計案と比較すると、10社を上限としていた構成員の数をJV準則には明記せず、運用で対応していくことにした。また、最上位等級の参画を求めていた構成員の組み合わせは、土木工事業の許可業者(工事によって建築一式も可)を少なくとも1社含めればよいことにした。11月中に中建審総会を開き、JV準則を改定する方針だ。
地域維持型JVは、「建設産業の再生と発展のための方策2011」に盛り込まれた「地域維持型契約方式」の軸となる仕組み。このJVを運用するためには、特定JVや経常JVと同様、JV準則に地域維持型JVを位置付け、その性格や構成員、対象工事の種類・規模などを明確化する必要がある。
国交省は9月30日の初会合に▽構成員数は2社〜10社程度▽構成員のうち代表者は総合的な企画・調整・管理ができる者(原則、土木工事業の許可を有し最上位等級に属する者)―などとする制度設計案を示したが、委員から「構成員数の上限は無くすべき」といった意見が出た。また、都道府県に意見照会したところ、「最上位等級の要件は不要」との声が複数寄せられたという。
このため今回のJV準則改定案では、構成員の数について「地域や対象となり得る工事の実情に応じ円滑な共同施工が確保できる数」という定性的な表現にとどめた。ただし、改定後に発出する通知に「当面は構成員数の上限を原則として10社程度で運用を始める」とし、過剰な構成員数による運用に歯止めを掛ける考えだ。
また、構成員の組み合わせをめぐっては「土木工事業の許可を有する者を少なくとも1社含む組み合わせ」とする。構成員は▽登録部門の許可業種の営業年数が少なくとも数年ある▽登録部門について元請けとして一定の実績を有する▽監理技術者、主任技術者となることができる国家資格保持者が存在する―ことなどを全て満たす必要がある。代表者は施工能力(完成工事高など)が最も大きい土木許可業者が務める。工事によっては、土木工事許可を建築工事業許可に変更することも可能とする。
提供:建通新聞社