政府は7日、都市再生基本方針の改正を閣議決定した。東日本大震災の教訓を踏まえ、基本方針に人的被害の最小化などの目標を加え、超高層建築物の長周期地震動対策、液状化対策、大都市間の機能分担などを具体的な施策として実施するよう求めた。都市再生特別措置法の改正で創設する特定都市再生緊急整備地域の指定基準も合わせて追加した。
基本方針の改正では、東日本大震災の被害を踏まえ、大規模災害に備えた▽人的被害などの最小化▽都市機能の停止・低下などの抑制▽都市間の連携―など都市再生の目標を盛り込んだ。
具体策としては、ハード・ソフト施策の連携で大規模災害に対する多重的防御を実現するとし、津波避難ビル、避難路の整備、液状化対策の充実などのほか、大都市では超高層建築物の長周期地震動対策の充実などに取り組む。
また、災害発生時にもエネルギー需給の安定化を図るため、自立・分散型エネルギー源を確保する。大都市間の大規模災害の発生リスクを踏まえた機能分担も促進するとした。
特定都市再生緊急整備地域は、7月に施行された都市再生特別措置法の改正で創設。大都市の国際競争力を高めることを目的に、規制・税制・金融などの支援措置を講じることになっている。基本方針に盛り込んだ指定基準では、おおむね5年以内の事業着手、国際競争力強化に向けた都市構想・戦略が自治体関与のもとに策定されていることなど、指定に向けた基本指標を定めている。
提供:建通新聞社