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2011/09/30

国交省が調査・設計分野で新たな低入対策を検討

 国土交通省は、直轄の調査・設計業務で新たな低入札対策を検討していく方針を固めた。価格競争で依然として低価格受注が多発しているためだ。増員担当技術者の配置や表彰制度からの除外など、各地方整備局が独自に運用している取り組みを参考に検討を進め、2011年度中に成果をまとめる。こうした考え方を29日に開いた「調査・設計等分野における品質確保に関する懇談会」(座長・小澤一雅東京大学大学院教授)に示した。
 調査・設計業務の低入札対策をめぐり国交省は、07年に全国で低入札価格調査制度の本格運用を始めた。08年度は一部地整で第三者による成果品照査の義務付けや書類提出の強化などを実施。09年度は全国で手持ち業務量を制限し、10年度には履行確実性評価を導入するなど、さまざまな手法を取り入れてきた。近年の落札状況を見ると、これらの取り組みが功を奏し、総合評価方式での低価格受注は、08年度が21・8%、09年度が11・2%、10年度が7・2%と減少傾向にある。しかし、価格競争では、09年度の23・8%から10年度は34・3%に増加し、低価格受注に歯止めがかかっていないのが現状だ。
 このため、国交省は新た な低入札対策を講じる必要があると判断した。検討に当たっては、各地方整備局が独自に採用している取り組みを参考にする。具体的には、中部地整が低価格落札者に対し、担当技術者の追加配置を求める「増員担当技術者制度」を運用しており、低入札の防止に高い効果を発揮している。低入札業務を表彰対象外としたり、管理技術者の打ち合わせを義務付けたりしている地整も複数ある。
 今後、こうした取り組みを全国展開することが可能かどうかを含め検討を続け、12年3月に開く次回会合に新たな対策案を提示する方向だ。

提供:建通新聞社