指定管理業務を行う民間企業などで組織する「指定管理者協議会」(桧森隆一理事長)は22日、災害発生時の自治体と指定管理者との連携の在り方について提言をまとめた。「震災などの発生時における指定管理者の対応範囲と権限を明確にしておく」―など、公共施設の機能の維持・早期復旧の視点から、自治体と指定管理者の留意点を5項目示している。
東日本大震災では、多くの公共施設が被害を受け、サービスを提供できなくなったり、修繕・改修が必要になった。また、避難所として使用される場合も多かった。
協議会では、これらの状況を踏まえた指定管理者の業務内容の見直しや、自治体との連携の在り方を検討するため、分科会を設置。検討成果を提言としてまとめた。
提言は、▽適切な防災計画・避難計画の策定▽施設の安全性を再度点検し、必要な手立てを講じる▽震災発生時の指定管理者の対応範囲と権限を明確化する▽指定管理者の被害・損失などに適切な手当てをする▽前受け金の還付の取り扱いを明確化する―の5項目。
このうち、「指定管理者の対応範囲と権限の明確化」は、震災の際に、管理する施設を避難所として利用する際の権限や、避難所での指揮権限の範囲などが不明確で、現場が混乱したことを踏まえて提言した。
協議会では、自治体や指定管理者のほかに、国や地方議会、住民など幅広い関係者にこの提言を周知していく。
提供:建通新聞社