前田武志国交相は16日の閣議後の会見で、7月で打ち切った住宅エコポイント制度について「被災地の復興とその他地域の住宅・建築物のゼロエネルギー化に向けて復活させる」と明言した。新築の場合、被災地向けには1戸当たり30万ポイント、その他地域では15万ポイントを付与。既存住宅の省エネ改修には30万ポイントを与える方針。第3次補正予算案に事業費を盛り込み、2011年度中に運用を始めることを想定している。
住宅エコポイント制度は、一定の環境性能を持つ住宅の新築やエコリフォームに対し、商品券や商品などに交換できるポイントを付与する仕組みで、10年3月から申請の受付を始めた。当初は11年12月末までの着工分を対象とすることにしていたが、想定を上回る利用があっため、運用期間を7月着工分までに短縮した経緯がある。
前田国交相は会見の中で、「就任以来訴えてきた低炭素循環型社会、持続可能なまちづくりのスタートを(住宅エコポイント制度の復活で)切りたい」との決意を表明。特にリフォームについては「断熱化されていない既存住宅を改修しようとすれば、耐震改修や水回りの工事などにもつながる。住宅関連分野はすそ野が広いため、地域の雇用継続も期待できる」などと、その効果の大きさを指摘した。
予算要求額をめぐっては「調整中だが、財務省との折り合いは基本的に付いている」とし、「第3次補正に入れば、予算執行後ただちに制度を始める」との見通しを示した。
提供:建通新聞社