国土交通省は、公共工事で公正・中立な第三者の活用を促進するため、発注者向けの活用促進マニュアルを本年度中に策定することを決めた。第三者活用の対象工事や第三者の選定基準、第三者の待遇・報酬の考え方などを整理した上で、受発注者と第三者との間で交わす合意書のひな形などを盛り込む考えだ。
公正・中立な第三者の活用をめぐっては、2010年7月の中央建設業審議会で改正された建設工事標準請負契約約款に、受発注者間のトラブルを防止する観点から協議段階で第三者を調停人として立ち会わせることができる規定が設けられた。こうした状況を踏まえ国交省は、第三者を活用した場合の効果や課題などをモデル事業の実施で検証した上で、その成果を発注者にとって分かりやすいマニュアルにまとめることにした。
10年度はモデル事業として椎葉村役場庁舎新築工事(宮崎県)を選定。本年度も計2件程度のモデル事業を予定しており、地方自治体を対象として9月中に公募を始める。また、モデル事業の検証やマニュアル策定の実務を担う事業者を9月20日まで募る。
選定された事業者は、モデル事業を通じて▽第三者活用の対象工事▽第三者の選定基準▽第三者活用に要する経費―などの在り方を検証。第三者の業務範囲について国内法や建設工事請負契約約款の整合性を踏まえ検討するとともに、受発注者と第三者との間で実際に交わす合意書の内容(ひな形)を策定する役割を担う。
提供:建通新聞社