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2011/07/27

災害に強い国土づくりの提言 ミッシングリンク解消などの必要性指摘 国交省・防災国土づくり委員会

 国土交通省の国土審議会・防災国土づくり委員会(委員長・奥野信宏中京大学教授)は26日、災害に強い国土づくりへの提言をまとめた。首都直下地震や東海・東南海・南海地震などの大規模災害に備えるため、交通基盤ミッシングリンク(未結節個所)の解消や地域特性に応じた再生可能エネルギーの導入が必要とした。また、地域建設業などが復旧・復興に果たす役割を再認識し、その活用に向けた枠組みづくりも求めた。
 今回の提言は、東日本大震災の教訓を踏まえ、広域的な国土政策の視点から、災害に強い国土・地域づくりの基本的な方向性を示したもの。国交省は提言内容を第3次補正予算や2012年度当初予算などに反映させていく方針だ。
 提言のうち、広域交通基盤の効率的・効果的な整備による代替性・多重性の確保に向けては、被災後の早期啓開・復旧を可能とする交通基盤の整備に加え、一定間隔で高規格のルートを整備することも必要と指摘。東海・東南海・南海地震で津波の影響が想定される地域をはじめ、全国のミッシングリンクを解消することも提起した。
 安定的なエネルギー供給が可能な国土の形成に当たっては、再生可能エネルギーの積極的な利用によりエネルギー供給源を多様化すべきとした。また、中山間地域などで採算性の確保が難しいため、適正な官民負担によるインフラ整備が必要とした。
 災害リスクを考慮した国土利用を推進していく観点からは、ハード・ソフト施策に加え、中長期的に人口や諸機能を災害リスクのより低い地域へ誘導するための方策を検討するよう求めた。国土全体での機能分担・配置の在り方にも触れ、東京圏と同時被災しない地域との分担関係の構築や、諸機能の分散、バックアップのための拠点配置が重要とした。
 さらに、直接的な復旧活動に参画する地域建設業や、緊急支援活動を担う企業、復興のための資金・人材確保を担う大学・企業などについて、それぞれの公益的機能に着目した震災復旧・復興への活用の枠組みづくりを求めた。

提供:建通新聞社