2011年度の建設投資(名目値)は、前年度に比べ7・3%増の44兆1200億円になる見通しであることが、建設経済研究所などのまとめで分かった。第三次補正予算が編成・執行されることを前提として、政府建設投資が大幅に増加すると予測した。12年度の建設投資も11年度補正予算の繰り越し分や復旧・復興関連予算の上積み分を見越して、前年度比での増加を見込んでいる。
11年度の政府建設投資は、当初予算で国の公共事業関係費が6%減、地方単独事業費が4・6%減となったことが減少要因として働くものの、東日本大震災の復旧・復興に向けた補正予算全体のうち、建設投資額が総額6兆円に上るとみて、前年度比12・8%増の18兆7000億円とした。12年度は、当初予算の公共事業関係費や地方単独事業費を前年度並みと仮定。そこに11年度補正予算の執行繰り越し分が相当額加わるほか、被災地の復旧・復興のための投資も欠かせないとみて、3兆円程度の震災関連予算額を計上した。その結果、2%増の19兆0800億円になるとした。
11年度の民間住宅投資は、夏以降に需要・供給マインドが持ち直し、被災住宅の建て替えなども見込まれることから、4・3%の12兆9600億円になると予測。12年度も回復を続け3・2%の13兆3700億円になる見通しだ。
11年度の民間非住宅建設投資は、震災被害の復旧に向けた民間設備投資が予想を上回るペースで進んでいるため、2・8%増の12兆4600億円となり、12年度も3%増の12兆8300億円へと回復基調が強まる。ただし、電力供給が制約された状況が続けば、投資の先送りや中止が見込まれ、回復の足かせになる恐れがあるという。
「建設経済モデルによる建設投資の見通し」は、建設経済研究所と経済調査会が四半期ごとにまとめて公表している。
提供:建通新聞社