国土交通省・社会資本整備審議会の道路分科会基本政策部会は21日、今後の道路政策の在り方をめぐる議論に着手した。災害に強いしなやかな道路システムの構築や基幹ネットワークの整備・活用、計画的で持続可能な維持管理・更新などを論点として会合を重ね、12月までに基本的な方向性を示す方針だ。
道路政策は急激な人口減少や高齢化の進展といった社会情勢の変化に加え、東日本大震災の影響を受けて、大幅な見直しをせまられている。基本政策部会ではこうした現状認識に基づき今後の政策の方向性を探っていく。
主な検討テーマとしては、▽安全で安心な道路交通環境の確保▽空間機能など道路の多様な機能の発揮▽道路施設の計画的で持続可能な維持管理・更新▽災害に強いしなやかな道路システムの構築▽環境に優しくスムーズで快適な交通システムの実現▽基幹ネットワークの整備・活用と効率的な物流体系の実現▽政策の進め方の改善、新技術の開発―を位置付けた。
このうち、災害に強い道路システムの構築に当たっては、危機耐性・回復力に優れるインフラや、災害時にもねばり強く機能を確保するための多重ネットワークなどの在り方を検討。また、維持管理・更新をめぐっては、老朽ストックの健全性確保やライフサイクルコスト低減に必要な対策などを具体化していく。
提供:建通新聞社