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2011/07/13

全国知事会が震災復興に向けた提言 「高速道路ネットワークの整備や第3次補正の速やかな編成を」

 全国知事会の東日本大震災復興協力本部は、東日本大震災の復興に向けた提言をまとめた。国難とも言える今回の事態を乗り越えて日本の再生を果たすためには、国と地方が総力を結集して取り組む必要があるとの認識に基づき、復興基本方針の早期提示や高速道路ネットワークの整備促進、第3次補正予算の速やかな編成・執行などを国に求める内容とした。
 提言では、「復興まちづくりの基本的な方向が明らかにならなければ、住宅、商店、事業所、工場などは現地復旧・復興事業を推進することすらできない」として、復興基本法に基づく復興基本方針を早急に定めるとともに、復興まちづくりに必要となる予算措置などを速やかに講じるよう要請。また、復興特区の有効活用に向けて、速やかに制度設計を行うべきとした。
 高速道路ネットワークの整備促進をめぐっては、三陸沿岸地域・日本海沿岸地域を南北に貫く「縦軸」と、東西を結ぶ東北横断自動車道など「横軸」の格子状の整備が必要と指摘。津波対策のため、湾口防波堤や防潮堤などの整備方針を示し、早期に完成させることも求めた。
 がれき処理に当たっては、国が広域的な処理体制の構築を主導するほか、国の直轄事業化など従来の役割分担を超えた特例措置を講じることとした。また、直接的・間接的な被害を被った東日本全体の復興に向けて、インフラの整備、まちづくり、農林水産業の生産基盤の復興などを盛り込んだ第3次補正予算を速やかに編成し、直ちに執行すべきと強調。その際には、復興に必要な事業が支障なく実施できるよう、復興債の発行などによって十分な事業費の確保が必要とした。
 被災者の支援に当たっては、災害公営住宅や地域優良賃貸住宅、改良住宅などの整備補助率引き上げなどを要望。液状化被害を受けた住宅を復旧するための支援をさらに強化することなども訴えた。

提供:建通新聞社