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中央ニュース

2011/07/11

国直轄でがれき処理可能に 特例法案を閣議決定

 政府は8日、東日本大震災で発生したがれき処理を国が代行するための特例法案を閣議決定し、国会に提出した。がれき処理は、市町村か、市町村の事務委託を受けた県が行っているが、実施体制が整わなかったり、技術者が不足している市町村からの要請があった場合、国直轄で事業を行うことを可能にする。
 震災で発生したがれきは、岩手県で47%、宮城県で29%、福島県で23%を仮置場まで搬入済み(6月28日時点)。今後、仮置場への搬入から、中間処理や最終処分などへ移行することになる中で、実施主体である市町村・県からは、国直轄での処理を求める声も挙がっていた。
 閣議決定した代行法案では、被災地の市町村から要請があった場合、環境相が▽市町村のがれき処理の実施体制▽市町村の専門知識・技術の必要性▽がれきの広域処理の重要性―などを踏まえて直轄化の実施を判断するとしている。処理費についてはこれまでと同様に、補助金と交付金を組み合わせ、全額を国が負担する。
 国直轄化をめぐっては、自民党などの野党も特別措置法案を国会に共同提出しており、今後、与野党間での協議・修正もありうる。
 がれき処理をめぐって環境省は、被災7県に県外業者の活用を要請したり、市町村ががれき処理を発注する際に再委託を認める特例措置を講じるなど、これまでも処理の迅速化を図る対策を進めている。

提供:建通新聞社