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2011/07/12

東日本大震災の復興「省エネ・再生可能エネルギーの先進的な取り組みを」 国交省・環境部会が基本的な考え方

 国土交通省の社会資本整備審議会・交通政策審議会交通体系分科会の両環境部会は11日の合同会合で、東日本大震災の復興に向けて環境面からの基本的な考え方を整理した。この中で、日本の環境政策が世界に誇れるものであり続けられるよう、今回の震災を契機に省エネルギー・再生可能エネルギーの先進的な取り組みを展開していくことが重要と指摘。約2200万dの災害廃棄物は、海岸堤防や公園緑地、宅地盛土のほか、バイオマスのエネルギー源などとして活用すべきとした。
 東日本大震災は、甚大な人的・物的被害をもたらすとともに、発電施設の損壊による電力不足の発生により、エネルギー政策の在り方についても大きな議論を投げ掛けた。こうした状況を踏まえ環境部会は、被災地の復興に当たり、安全・安心と環境が調和した契約や環境に配慮した事業の実施、復興を通じた環境負荷低減を実現することが重要との観点から、基本的な考え方を提示した。
 低炭素社会の実現に向けては、2010年8月に策定・公表した「低炭素都市づくりガイドライン」の考え方を踏まえつつ、東北地方の自然環境や気象条件、地域構造などに適合したまちづくりを目指すとした。住宅・建築物の環境性能に応じたインセンティブの付与や、CASBEE(建築物総合環境性能評価システム)などによる環境性能の見える化(ラベリングなど)に加え、太陽光発電や風力発電、地熱発電といった再生可能エネルギーの導入を政府が一体となって促進していくことも重要とした。
 循環型社会の形成に当たっては、約2200万dに達するとみられる災害廃棄物の適正・有効利用が重要と指摘した。具体的には、津波や高潮からの安全性を確保しつつ、環境負荷の少ない市街地を形成するため、海岸堤防・公園緑地・宅地盛土などへのがれきの活用を促進。また、木材などのバイオマスについては、エネルギー源として活用すべきとした。住宅や公共施設の建設に際しては、地域資源を有効活用する観点から、木材利用を推進する考え方を盛り込んだ。
 自然共生社会の実現に向けては、自然の持つ防災機能を活用するとともに、河川・海岸堤防などに多自然工法を積極的に採用することが重要とした。

提供:建通新聞社