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2011/07/05

「減災目指し、代替可能な交通NWの整備を」 国交省・防災国土づくり委員会が提言骨子案

 国土交通省は、災害に強い国土構造への再構築に向けた報告書の骨子案をまとめ、4日の国土審議会・防災国土づくり委員会に示した。巨大地震への備えとして、ハードとソフトを適切に組み合わせた総合施策を講じることで、物的被害が生じても、死亡者を出さず、社会基盤施設などの復旧が容易となる「減災対策」を目指すべきと指摘。その実現に向けて、被災時に代替可能となる交通ネットワークの整備や、再生可能エネルギーの積極的な利用が必要とした。
 この委員会は、東日本大震災を教訓として、首都直下地震、東海・東南海・南海地震など、今後発生が予測される大規模な地震災害の被害を抑えるための方針を示すことが狙い。7月中に検討成果をまとめる。
 骨子案では、首都直下地震や東海・東南海・南海地震などに備え、広域性と地域性を併せ持った交通ネットワークの多重性を確保するとともに、被災後の早期啓開・復旧を可能とする、安全で信頼性の高い交通基盤の整備が重要と指摘。また、広域交通基盤について、多様な防災面の効果や位置付けを適切に評価した上で、着実に整備を推進していくよう求めた。
 災害リスクを考慮した国土利用の在り方については、「全国の平野部に広がる都市では、直ちに災害リスクの低い地域に誘導することは困難」との認識を提示し、人口減少などを踏まえ中長期的観点から取り組む必要があるとした。
 再生可能エネルギーなどの利用の重要性にも触れ、特に中山間地などエネルギー供給網の代替性が低い地域では、初期費用やランニングコストを官民が適正に負担する形で、代替エネルギーのインフラを整備することが重要とした。
 震災復旧・復興の担い手をめぐっては、平時から除雪や道路・河川の維持管理機能など、地域建設業が持つ優れた公共・公益的機能を評価し、それらが損なわれることがないよう、新たな契約方式などを検討すべきとした。

提供:建通新聞社