政府は5日、東日本大震災の復旧や二重債務問題対策などを盛り込んだ2011年度第二次補正予算案を閣議決定した。予算総額1兆9988億円のうち、二重債務問題対策には774億円を計上し、債権買取を行う機構の設立、再生企業に対する利子補給などに取り組む。一次補正で経費を計上していた仮設工場・店舗の整備事業には215億円を追加する。財源は追加国債を発行せず、10年度の決算剰余金で賄う。
二重債務問題対策は、震災前の旧債務と、震災からの再建に向けた新債務の負担軽減を目的に実施する。補正予算には、旧債務の再建買取を行う機構の設立経費に1億円、相談窓口の体制強化(専門家の増員など)に30億円を計上。再生を目指す企業に対する利子補給にも184億円を確保する。
一次補正で10億円を措置した仮設工場・仮設店舗整備事業には215億円、155億円を措置した中小企業グループに対する施設復旧・整備事業には100億円をそれぞれ追加。施設整備費の補助を拡充し、再生に乗り出す企業の新債務の負担も軽減する。
このほか、震災で発生したがれきに含まれる木材を活用した木質バイオマス事業の推進に向け、調査費1億円を計上。被災地の熱・電気の需要把握、木質系がれきの供給・利用範囲などを調査する。将来は未利用間伐材を活用して、恒久的なエネルギー供給源として利用する。
二次補正予算案の主な内訳は、次のとおり。
▽二重債務問題対策774億円▽被災者生活再建支援金補助金3000億円▽原子力損害賠償法等関係経費2754億円▽東日本大震災復旧・復興予備費8000億円▽地方交付税交付金5455億円
提供:建通新聞社