トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2011/06/27

震災被害16兆9000億 阪神淡路の1・8倍に 内閣府

 内閣府は24日、東日本大震災における被災9県のストック被害額を約16兆9000億円とする推計を発表した。阪神・淡路大震災の約9兆6000億円と比較すると、被害額は約1・8倍に上っている。施設別では、建築物の被害額が最も大きく約10兆4000億円。道路などの社会基盤施設の被害額が約2兆2000億円で続いている。
 被害額は、関係17省庁と被災県が提供した情報をベースに、内閣府が推計した。対象地域は、青森県、岩手県、宮城県、福島県、新潟県、長野県、栃木県、茨城県、千葉県―の9県。ストックの被害状況を調査した上で「施設を原型復旧する場合に必要な復旧費用を積み上げた」(内閣府防災担当)としている。
 福島第一原子力発電所の事故に伴う放射能被害の影響は盛り込まず、地震・津波による被害額のみを推計した。
 施設別の被害額は▽建築物(住宅、宅地、店舗・事務所、工場、機械など)約10兆4000億円▽ライフライン施設(水道、ガス、電気、通信・放送施設)約1兆3000億円▽社会基盤施設(河川、道路、港湾、下水道、空港など)約2兆2000億円▽農林水産関係(農地・農業用施設、林野、水産関係施設など)約1兆9000億円▽その他(文教施設、保健医療・福祉関係施設、廃棄物処理施設、その他公共施設)約1兆1000億円―となっている。
 阪神・淡路大震災との比較では、津波による家屋などの被害が大きかった建築物などで約1・7倍に膨らんだ。また、農林水産業が基幹産業である地域性を反映し、阪神・淡路大震災で約800億円だった農林水産関係の被害額は約24倍に上った。

提供:建通新聞社