トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2011/06/21

貸付限度額8000万円に 10月までに大幅改正 中小企業倒産防止共済

 中小企業庁は、取引先の倒産により発生する連鎖倒産を防ぐ「中小企業倒産防止共済制度」を大幅に改正する。共済加入者が連鎖倒産で受ける被害を全額カバーできるよう、共済金の貸付限度額を3200万円から8000万円に引き上げ、これに伴って掛金の積立限度額を現行の320万円から800万円に変更する。「早期償還手当金」も創設し、貸付金の早期返済を後押しする。10月までの早い段階で施行する。
 共済制度は、契約者が事前に積み立てた掛金について、取引先が倒産した際に掛金総額の10倍を限度に、無利子・無担保・無保証で貸し付け、中小企業の連鎖倒産を防ぐ仕組み。中小企業基盤整備機構が運用している。 加入者は約30万社(うち建設業は23・8%)に上っているが、近年は回収困難になる売掛金債権額の高額化が進み、現行の貸付限度額(3200万円)では被害額を賄いきれず、連鎖倒産を防ぎきれないケースも出てきている。
 このため、中小企業庁では10年4月に中小企業倒産防止共済法を改正し、貸付限度額を8000万円に引き上げることを決めた。1985年に現行の貸付限度額となって以来、26年ぶりの改正。今回の引き上げで、加入者の約95%の売掛金債権額を賄うことができる見込みだという。
 貸付限度額の引き上げに合わせて、掛金総額の上限も引き上げる。掛金を限度額の満額である320万円まで積み立てている加入者は、最大800万円まで積み増すことができるようになる。掛金月額も8万円から20万円に上限を引き上げるほか、償還期間の上限を5年から10年に延長する。 また、共済金の前倒し返済を行った加入者に対する早期償還手当金も創設。早期返済時に貸付額の最大4%程度(償還期間に応じて変動)を還元することで、共済金の運用リスクを改善する。
 中小企業庁は、遅くとも8月には施行日を定める。改正法で示した期限である10月下旬までの早い段階で施行する考えだ。

提供:建通新聞社