林野庁は、東日本大震災で発生したがれきに含まれる木材を活用した木質バイオマスによる復興まちづくりの検討を開始した。震災のがれきに含まれる膨大な木質系廃棄物を有効活用し、復興後の電力需要を補う構想で、被災した製材工場などを1カ所に集中させ、木質バイオマスで操業に必要な電力を供給するアイデアもある。今後、発電所を建設する事業者に対する補助制度の枠組みを整える。
震災で発生したがれきは2490万dと推計されており、半分以上が木質系廃棄物だと見込まれる。林野庁では、この木質系廃棄物をバイオマス発電に利用した場合、今後数年に及ぶ発電を賄うことができると考えている。
14日には日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)、鹿島、製材事業者、被災地の自治体らを集め、木質バイオマスを活用したまちづくりの在り方について意見交換会も開き、この中で林野庁が現時点で考える構想を参加者に説明した。
それによると、復興後の住宅、工業団地、農業の用途別に電力を供給する発電所を建設することを想定。発電所の規模は、住宅地で2000`h(建設費4億円)、工業団地で1万`h(同40億円)、農業が1000`h(同1億円)を見込んでいる。
工場団地については、被災した製材・合板工場などを1カ所に再生整備した上で、電力を供給する計画もある。工場で発生する残材も発電に利用する。がれき処理の終了後は未利用間伐材を利用し、恒久的な施設として発電所を操業する。
提供:建通新聞社