民主党は、東日本大震災の被災地の中小企業などの二重債務問題への対応策をまとめた。再生を目指す中小企業が震災前から抱える旧債務は、官民出資の中小企業再生ファンドなどで救済するとし、再生に向けた新債務は新たにリース信用保証制度を創設したり、第一次補正予算で拡充した融資・保証制度で対応する。自治体に一括で「復興交付金(仮称」として財源を交付することも提案している。
中小企業再生ファンドは、中小企業基盤整備機構、県、金融機関が出資して被災地の各県単位で立ち上げる。事業再生の可能性がある中小企業の旧債務を出資・債権買取りなどの手法で整理する。中堅企業などに対しては、10月に廃止予定の企業再生支援機構の設置期限を延長し、同様の措置を講じるとした。
被災企業に対する相談窓口も設置し、再生計画の作成などを後押しする。再生の判断ができない企業に対しては、旧債務に関する利子負担軽減などを手当てする一方、再生が困難と判断した企業には私的整理のためのスキームも用意する。
新債務に対しては、一次補正で予算措置した「東日本大震災復興特別貸付」や「東日本大震災復興緊急保証」などの活用を促す。リース債務向けの信用保証制度の創設にも検討する。
このほか、個人の住宅ローンなどの二重債務への救済策を提案。住宅金融支援機構による既存ローンの返済猶予、住宅再建を目指す際の金利引下げや返済期間の延長などの実施を求めている。
提供:建通新聞社