国土交通省は7日、国土審議会政策部会「防災国土づくり委員会」の初会合を開き、災害に強い国土構造への再構築に向けた検討に着手した。主な論点としては、▽国土全体での機能分担・配置の在り方▽広域交通基盤の効率的・効果的な整備による代替性・多重性の確保▽災害リスクを考慮した安全で安心できる国土利用―などを想定しており、7月中に成果をまとめる方針だ。
この委員会は、今後発生が予測される首都直下地震、東海・東南海・南海地震などの大規模な地震災害の被害を抑えるため、全国的な観点から災害に強い国土構造の方針を示すとともに、東日本大震災で大きな被害を受けた東北圏の在り方を審議する。座長は奥野信宏中京大学教授が務める。
主な審議事項のうち、国土全体での機能分担・配置をめぐっては、地震による同時被災を避けるため、プレートの位置関係を踏まえ国土全体でさまざまな機能を分担していくことを提起。広域交通基盤の代替性・多重性の確保に当たっては、東日本大震災で日本海側の道路や鉄道、港湾などが救援物資の輸送に大きな役割を果たした点に着目し、陸路・海路・空路といった交通モード間の連携の在り方などをあらためて検討する。
災害リスクを考慮した国土利用については、標高約25b以下に約50%の人口が分布し、低地にインフラも集積するなど、日本で臨海部の土地利用が優勢であることを踏まえ、低地での土地利用の在り方を検討する必要性を示した。
提供:建通新聞社