国土交通省は、受発注者間のコミュニケーションを円滑化するため、2013年度からASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)などを活用した情報共有システムをすべての直轄工事で導入することを決めた。その実現に向けて、11年度に約2500件、12年度に約3500件を直轄工事で試行する。併せて、異なる情報共有システム間でのデータ連携を可能にするため、11年度中にデータ連携方式やデータ交換方式などを固め、データ連携機能に対応したシステムの開発を誘導していく方針だ。
情報活用システムの活用に向けた取り組みは、建設工事現場の生産性向上を目的とする「施工効率向上プロジェクト」の一環として09年度から試行を始めた。試行実績は09年度が約1100件、10年度が約1500件。11年度、12年度は本格導入を見据えた受発注者双方の習熟期間と位置付け、試行件数を1年間ごとに1000件上乗せしていく。こうした考え方を「施工効率向上プロジェクト」の11年度重点方針と位置付け、6月3日付で各地方整備局などに通達した。
通達ではこのほかに、施工段階で発注者・設計者・施工者が集まる「三者会議」や、受発注者が公開の場で設計変更の妥当性を話し合う「設計変更審査会」をめぐり、発注者が議事進行や議事録作成、情報共有などの主体となることを明確化した。
また、受注者からの問い合わせ対応を迅速化する「ワンデーレスポンス」について、設計変更など関係者との調整が生じるような協議に際し、回答期限の明示や期限が超過する場合の新たな回答期限の連絡を徹底することなどを盛り込んだ。
提供:建通新聞社