東日本大震災を受けて国土交通省は、災害に強い国土の在り方について検討を本格化させる。2日に開いた国土審議会政策部会で「防災国土づくり委員会」を新設し、ハード・ソフトを組み合わせた対策の方向性を探っていくことを決めた。
検討に当たっては、被災地の復旧・復興だけでなく、首都直下地震や東海・東南海・南海地震など、今後発生が予測されている大地震も念頭に置きつつ、「災害への対応力を高めた国土基盤の整備」「災害に強いしなやかな国土の形成」という二つの視点から論点を整理する。
国土基盤の整備をめぐっては、大震災で大きな被害を出さないようにするため、交通インフラ・ライフライン・官庁施設などの整備・強化、国土の保全などの取り組みを進め、ハード・ソフト両面から災害への対応力が高い強靱(きょうじん)な国土基盤の構築を目指す。
災害に強いしなやかな国土の形成に向けては、▽東京一極集中の是正を含めた国土全体での機能分担・配置▽災害に強い広域交通基盤の整備による代替性・多重性の確保▽災害リスクを考慮した安全で安心できる国土利用▽被害時のサプライチェーンの維持▽「新しい公共」などによる地域・産業復興、防災体制の構築―などを検討事項として例示した。
提供:建通新聞社