政府は22日、東日本大震災関連の2法案を閣議決定した。「東日本大震災による被害を受けた公共土木施設の災害復旧事業等に係る工事の国等による代行に関する法律案」は、被災した自治体の要請を受けて国や県が災害復旧工事の施工を代行できる仕組みを構築する。「東日本大震災により甚大な被害を受けた市街地における建築制限の特例に関する法律案」は、原則として災害発生後1カ月となっていた建築基準法に基づく被災地域での建築制限を9月11日まで延長する。
両法案は国土交通省が所管するもので、いずれも東日本大震災で大きな被害を受けた地域の復旧・復興を後押しする狙いがある。
災害復旧を国などが代行するための法案は、壊滅的な被害を受け行政機能が麻痺している市町村などに代わり、国や県が工事を実施できるようにする。国、県は地方公共団体から要請があり、地域の実情を踏まえ必要性が認められる場合、自ら漁港、砂防、港湾、道路、海岸、地すべり防止、下水道、河川、急傾斜地崩壊防止の災害復旧事業を代行する。県から国への代行も可能。費用は原則として国が負担する。
建築制限の特例に関する法律案は、市街地が甚大な被害を受けた市街地の健全な復興に向けて、特定行政庁が建築物の建築を制限・禁止できる措置の適用期間を延ばす。
甚大な被災地域で、都市計画のため必要があり、市街地の健全な復興のためにやむを得ないと認められた場合、建築基準法第84条の規定(災害発生日から1カ月以内の期間、建築の制限・禁止が可能)にかかわらず、一定区域を指定して、9月11日までの間、期間を限って建築制限・禁止ができるようになる。特に必要があると認められる場合には、特定行政庁がさらに2カ月を超えない範囲内で期間を延長することも可能となる。
提供:建通新聞社