厚生労働省は、東日本大震災によって甚大な被害を受けた医療施設や保健衛生施設、社会福祉施設、水道施設などを復旧するため、第1次補正予算案に1306億円を計上した。施設整備に対する国庫補助率を引き上げる一方、救命救急センターなど人命に直結する施設の自家発電設備整備についても国庫補助の対象とする。
医療施設の復旧には70億円を充てる。このうち公的医療機関19施設には、現在2分の1となっている国庫補助率を3分の2に引き上げる。民間医療機関については現行通り2分の1とする。
保健衛生施設については70施設を補助対象とし、保健所、火葬場、公的精神科病院などは現行の2分の1を3分の2に、食肉衛生検査所や民間精神科病院は現行の3分の1を2分の1に、国庫補助率をそれぞれ引き上げる。阪神・淡路大震災では国庫補助の対象とはしていなかった理容師と美容師の養成所についても補助対象に加える。
社会福祉施設の復旧には815億円を投入。うち介護保険施設には536億円を充当する。国庫補助率は、認知症高齢者グループホームなどは2分の1から3分の2に、介護老人保健施設などは3分の1から2分の1に引き上げる。
グループホーム・ケアホームなどの障害者支援施設の復旧には108億円、児童相談所などの児童福祉施設には47億円を充てる。
水道施設には160億円を投じ、国庫補助率を2分の1から100分の80または100分の90に引き上げる。
今回の震災では電力供給の停止による医療や介護などへの深刻な影響が問題となったことを踏まえ、自家発電設備の整備費として119億円を確保。救命救急センター18カ所、介護老人保健施設1350カ所、重症心身障害児施設200カ所の自家発電設備の整備を支援する。
提供:建通新聞社