環境省は、大規模導入の可能性が将来的に最も高い再生可能エネルギーを風力発電だとする調査結果を発表した。制約要因や技術革新、補助金などの要素を加えた導入可能量を約15億`hとし、太陽光発電(非住宅系)や中小水力発電などの可能量を大きく上回った。調査では、風力発電の地域偏在性の高さを指摘しており「東北地方には事業収支が優良な地点が多い」と分析している。
風力発電を試算する際の仮定条件は、設置所要面積を1万`h当たり1平方`b、設置・工事費を1`h当たり25万円、事業費の補助率を3分の1、再生可能エネルギーの全量固定価格買取制度(FIT)を導入した際の買取り期間を15年か20年などに設定した。
これらの条件に加え、技術革新が進み設備費が大幅に圧縮されたと仮定した場合、風力発電は陸上で2億8000万`h、洋上で12億`hの導入可能量があると試算した。設備設置のための土地確保が容易な東北地方では、従来の電力供給能力(1655万`h)を大きく上回る導入可能量が算出されている。
調査は「再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査」として毎年度行っているもの。今回対象になった風力発電以外の再生可能エネルギーの導入可能量は▽太陽光発電(非住宅系)=6900万〜1億`h▽中小水力発電=740万`h▽地熱発電=460万`h―と推計している。
提供:建通新聞社