経済産業省は、第一次補正予算案で被災企業などの資金繰り対策として約5100億円を計上した。東日本大震災で直接・間接的に影響を受けた中小企業などを対象に、地方自治体などと連携して無利子貸付も可能にする「東日本大震災復興特別貸付(仮称)」、融資額の全額を保証する「東日本大震災復興緊急保証(仮称)」などをそれぞれ立ち上げる。
経産省は、一次補正に予算措置した約5100億円で、10兆円規模の資金繰り対策ができると見込んでいる。東日本大震災で社屋・工場などに直接被害を受けた中小企業だけでなく、直接被害を受けた企業と一定額以上の取引関係があったり、原発事故などで風評被害を受けた企業など、間接被害を受けた企業も救済する。
復興特別貸付は、日本政策金融公庫と商工組合中央金庫の「災害復旧貸付」の貸付限度額、金利引き下げ措置、据置期間を大幅に拡充する。地方自治体と連携して創設する基金を活用し、利差補給を行って無利子とすることもできるように制度設計する。
信用保証協会が始める復興緊急保証については、現行のセーフティネット保証や災害関係保証の保証枠などを大幅に広げる。保証限度額は最大5億6000万円(無担保1億6000万円)で、融資額は全額補償(100%保証)とする考え。保険填補率は現行の7〜8割から9割に引き上げる。
また、震災の影響で経営に支障が生じている中堅・大企業にも対策を講じる。「緊急金融支援パッケージ」として▽長期資金融資「危機対応貸付」の融資枠拡充▽信用力の補完(損害担保)▽利子補給―などを実施し、中堅・大企業と取引関係にある中小企業の経営の安定化を支援する。
提供:建通新聞社