政府は26日、「東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律案」などの震災関連法案を閣議決定した。特別財政援助法案は、激甚災害以外の復旧工事に対する補助率を最大90%に嵩上げする。「東日本大震災に対処するための土地改良法の特例に関する法律案」として、国・都道府県が津波被害を受けた農地の除塩・区画整理を実施できるようにする。
特別財政援助法案は、激甚災害の指定を受けていない公共土木施設や社会福祉施設の復旧工事に対する財政援助を行うためのもの。街路、改良住宅、上水道、一般廃棄物処理施設、集落排水施設などの補助率を50%から80〜90%に、社会福祉施設や警察・消防施設の補助率を2分の1から3分の2に嵩上げし、復旧工事を行う自治体の負担軽減を図る。
被災した中小企業に対し、社会保険料の免除、信用保険填補率の拡充などの特別措置も講じる。 土地改良特例法案は、津波被害を受けた農地の早期営農再開を目的に、国・都道府県が農地の除塩事業を主体的に実施できるように位置付ける。除塩・災害復旧と同時に区画整理の実施も促し、大区画化を進めて営農再開後の生産性向上にもつなげる。補助率は激甚災害と同等の90%と定める。
このほか「平成23年度における地方交付税の総額の特例等に関する法律案」も閣議決定。被災自治体の当面の財政需要に対応するため、2011年度の特別交付税に総額1200億円を加算する。
提供:建通新聞社