国土交通省は、建設業の成長分野への事業転換や転廃業を支援するため、「建設企業のための経営戦略アドバイザリー事業」の運用を始める。耐震改修やエコ建築、リフォームといった成長分野への展開や、転廃業を視野に入れる建設業者に対し、専門家である「建設業経営戦略アドバイザー」が経営上のアドバイスを行う仕組みだ。建設業振興基金や各地方整備局などに経営戦略相談窓口を設け、きょう4月18日から相談を受け付ける。
この事業は、厳しい経営環境にある建設業の新事業展開や企業再編、転廃業を後押しすることが狙い。基本的には、2010年度まで実施していた「経営相談(ワンストップサービスセンター)事業」の枠組みを活用する。相談は原則として1回まで無料とする。
今回の事業で注目されるのは、相談してきた企業のうち、意欲が高くコンサルティング効果が認められるものを「出口支援企業」として最大30社程度を選定する点だ。出口支援企業には、事業計画・資金計画の策定支援や金融機関などとの調整を含め、きめ細かなコンサルティングを新事業展開などのめどが付くまで無料で実施する。
また、アドバイザーの中から全国11ブロックにコンサルティング業務を統括する「エリア統括マネージャー」を選定し、エリア内での経営支援に責任を持たせる。南関東(東京・神奈川)のエリア統括マネージャーは中小企業診断士や一級建築士、一級建築施工管理技士の資格を持つ藤原一夫氏が務める。
さらに現時点で30道府県が同事業のパートナーとして参加することが決まっている。国交省では、これらの自治体が主催するセミナーなどにアドバイザーを無料派遣したり、自治体独自の枠組みで支援した有望な建設業者を出口支援企業に選定することを想定している。
同事業の詳細はホームページ(http://www.yoi-kensetsu.com/advisory/)で確認できる。経営戦略窓口のうち、建設業振興基金構造改善センターの連絡先は、電話03(5473)4572。
提供:建通新聞社