経済産業省が第一次補正予算に盛り込もうとしている中小企業の資金繰り対策などの主な項目が明らかになった。保証枠・保証限度額を大幅に拡充した「東日本大震災復興緊急保証(仮称)」、金利引下げ措置を講じた「東日本大震災復興特別貸付(仮称)」を立ち上げ、直接・間接的に被害を受けた中小企業の資金繰りを支える。夏場の電力需給ギャップを解消するため、電力融通のための連携設備強化などにも取り組む。
東日本大震災復興緊急保証は、保証限度額を災害関係保証と合わせ最大5億6000万円(無担保1億6000万円)とし、融資額の全額を保証するとしている。保険填補率は現行の7〜8割から9割に引き上げる。
また、日本政策金融公庫と商工組合中央金庫が東日本大震災復興特別貸付を創設。必要な融資枠を確保した上で、金利引下げや貸付限度額・据置期間の大幅な拡充も図る。
震災の被害を受けた中堅・大手企業に対しても、商工中金と政策投資銀行が長期資金融資枠の拡充などを図り、取引関係にある中小企業の経営安定につなげる。
夏場の電力需給ギャップの解消を目的に「中部〜東京間」や「北海道〜東北間」で、電力融通を行う連携設備の強化を図る。マスタープランを策定し、今後の工程を明らかにする。
このほか、震災で被害を受けた工業用水道(25カ所)の復旧のため、8県2市村に復旧費を補助する。現行の補助率10分の4を10分の8まで嵩上げする。
第一次補正予算の政府・民主党素案では、総額約4兆円のうち、同省の配分額を5000億円台(公共事業費を除く)としている。補正予算は近く政府案を閣議決定し、4月中の成立を目指している。
提供:建通新聞社