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2011/04/15

リニア中央新幹線建設計画「東日本大震災の影響なし」 着工・完成時期は変更せず 国交省の中央新幹線小委員会

 国交省の交通政策審議会・中央新幹線小委員会(座長・家田仁東京大学大学院教授)は14日の会合で、東日本大震災がリニア中央新幹線の建設計画に及ぼす影響などを議論した。この中で、JR東海は「震災が中央新幹線の建設計画に影響を及ぼすことはない」として、工事の着手時期や完成時期を変更しない方針を示した。小委員会の議論でも「震災時にバイパス機能を確保する意味で、リニア中央新幹線の有効性は従来以上に高まった」といった見方で一致し、4月21日の次回会合で最終答申案をまとめることを決めた。
 リニア中央新幹線整備計画は、JR東海が中間駅を除くインフラ整備費を負担して、東京〜大阪間をリニア方式で結ぼうというもの。2014年度から東京〜名古屋間の工事に着手して27年に開業させ、大阪までの区間も45年に営業を始める方針だ。
 国交省は全国新幹線鉄道整備法に基づく整備計画などを決定するため、中央新幹線小委員会で議論を重ねてきた。今回の会合では、3月11日に発生した東日本大震災が建設計画に与える影響を主な議題とした。
 JR東海は大震災が与える影響について、「あくまで一時的・限定的なもの」であり、「中央新幹線プロジェクトを確実に完遂できることに変わりはない」との認識を提示。東北新幹線の構造物が震災で大きな被災を受けていないことから、「同じの基準で補強した東海道新幹線や、同等の基準での建設を想定しているリニア中央新幹線に追加的な投資負担は生じない」との見通しも示した。
 小委員会でも、▽バイパスルートの確保は震災発生時に極めて有効であり、従来以上に建設の必要性が再認識された▽東北新幹線は震災での被害が小さく、阪神淡路大震災後に見直された耐震基準に沿った設計が効果を発揮した▽将来的に震災が発生しても事業主体であるJR東海の経営能力に問題は生じない―といった点で委員の認識が一致したという。
 これを踏まえ国交省は4月21日に開く次回会合で最終報告案を固めた上で、一般からの意見を募集し、営業主体・建設主体の指名や整備計画の決定に向けた手続きを進めていく方針だ。

提供:建通新聞社