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2011/04/12

連鎖倒産防止共済 震災手形も貸付対象に追加 

 中小企業庁は、中小企業基盤整備機構が行っている「中小企業倒産防止共済制度」の貸付対象に、取引先が東日本大震災に被災して手形が決済されないケースを追加する。同制度では、取引先が実質的な倒産状態に陥った場合に共済金を貸し付けているが、金融機関が被災企業の不渡り処分を猶予する特別措置を講じており、被災企業と取り引きする共済契約者にとっては債権回収も共済金の貸付請求もできない状況が続いていた。
 共済制度は、契約者があらかじめ掛金を積み立て(上限320万円)、売掛金債権が回収困難になった場合に、回収困難額か積み立てた掛金の10倍のいずれか少ない額を無利子・無担保・無保証人で契約者に貸し付ける仕組みで、契約者は約30万社。建設業の契約者は製造業に次いで多く、全体の23・8%を占める。 取引先の企業が▽破産法・民事再生法などの法的整理を裁判所に申請▽手形取引に関する銀行取引停止処分▽弁護士などの私的整理―を進めている場合に共済金を貸し付ける。
 一方、東日本大震災の発生後、全国銀行協会は金融庁と日銀の要請に応え、被災企業が振り出した手形などについて、不渡り処分を猶予する特別措置を講じている。被災した企業は倒産などの手続きができない企業が大半であることに加え、この特別措置で不渡り処分にもならず、被災企業と手形取引などがある共済契約者にとっては、貸付請求ができない状況が続いていた。
 8日付で共済制度を改正し、震災による不渡り処分の猶予措置を受けているケースについても、貸付請求ができるようにし、被災企業と取引関係にある中小企業の資金繰りを支援する。中小企業庁経営安定対策室は今回の改正について「震災で広がりが懸念される連鎖倒産を何とか食い止めたい」と話している。

提供:建通新聞社