国土交通省は、応急仮設住宅の供給促進に向けた取り組みをさらに強化していくことを決めた。大畠国交相が5日、住宅生産団体連合会(住団連)の樋口武男会長らを本省に招き、「5カ月で6万戸程度」という供給目標の達成を強く要請した。また、資材不足への対応として、諸外国からの緊急輸入に取り組むほか、国内で売り惜しみや買い占めがあった場合、「買い占め防止法の適用など断固たる措置を講じる」(大畠国交相)方針を示した。
応急仮設住宅の供給をめぐっては、大畠国交相が1日の緊急災害対策本部で従来の「2カ月で少なくとも3万戸」としていた供給目標を「5カ月で6万戸程度」に上積みし、その実現に向けた準備を進めるよう担当部局に指示した。
これを踏まえ大畠国交相は住団連に対し、「応急仮設住宅の建設要請は5日時点で6万2290戸に達している。計6万戸の供給はなんとしても実現してほしい」と訴えた。
こうした要請に樋口会長は「当初要請された3万戸の供給にはめどが立っている。残り3万戸も国内外から資材を確保して段取りする」と前向きに回答する一方、「問題は建設用地だ。いち早く適地を決めて、着工できるよう求めたい」と注文を付けた。
不足が指摘される資材の供給促進に当たっては、国交省が他省庁と連携してアメリカやヨーロッパなどの諸外国からの緊急輸入措置を講じていく。さらに、資材が不足する状況に便乗し、売り惜しみや買い占めが発生することを防ぐため、第一次オイルショックを踏まえて制定された「買い占め等防止法」などの適用も視野に、企業への監視体制を強める。
また、住団連への要請に際し、大畠国交相は「被災地の工務店や建設会社をできる限り活用し、地域の活性化に役立てる」ことなども求めた。
提供:建通新聞社