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2011/04/04

直轄事業は執行段階、補助事業はあらかじめ5%を留保 国交省が11年度予算配分

 2011年度予算の成立を受け国土交通省は1日、国土交通省関係予算の配分を発表した。東日本大震災への対応をめぐり、直轄事業では事業費ベースで2兆2767億円の全体の配分額は変えず、予算執行段階で原則として5%を留保する考え。一方、補助事業では被災地であるかどうかを問わず、あらかじめ5%を留保した上で配分する。これによって、同省所管の補助金・交付金を一元化した「社会資本整備総合交付金」の配分額は当初見込んでいた3兆4036億円から3兆2334億円に減少し、前年度比では27%の大幅な減額となる。留保した財源は震災復旧などに充てる方針だ。
 こうした措置は、政府が1日の閣議で「公共事業費・施設費について5%を一つのめどとして、執行をいったん留保する」との方針が示されたことに対応したものだ。
 配分に当たっては、被災地の復旧・復興を重視した配分案にまとめ直すことも想定されたが、「新たな配分案の策定には一定の時間を要し、被災地でも必要な事業が執行ができなくなるため、速やかな配分を優先した」(国交省大臣官房会計課)という。
 この結果、直轄事業では当初の配分額を変更せず、予算執行段階で政府の方針に対応していくことを決めた。具体的な方策は今後詰めていく。一方、補助事業は、交付金や補助金をいったん地方公共団体に配分してしまうと、使途などを制限することが難しいため、あらかじめ5%を留保した額を配分することになった。
 国交省関係予算全体の配分方針としては、▽首都圏空港の拡充・強化▽国土ミッシングリンクの解消と大都市圏の道路インフラ重点投資▽予防的な治水対策の強化と激甚な災害などによる被災地での災害防止対策▽建築物などの耐震建て替え・改修などの促進―に重点を置いた。
 配分対象額を、事業類型別に見ると、直轄事業が前年度比3%減の2兆2791億円(未配分額24億円)、補助事業が16%減の4兆5926億円(未配分額5216億円)。補助事業のうち、社会資本整備総合交付金は23%減の3兆4248億円だが、ここから留保分を含む未配分額1914億円を差し引くと、前年度に比べ27%のマイナスとなる計算だ。

提供:建通新聞社