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2011/03/30

厚労省が安衛部3課長連名通知 震災応急復旧で石綿粉じんばく露を懸念 建設8団体に労災防止徹底を要請

 厚生労働省は3月28日、東日本大震災で被災した地域で応急復旧や仮設住宅の建築などに従事している建設労働者の労働災害の発生が懸念されることから、全国建設業協会(全建)や全国解体工事業団体連合会(全解工連)、プレハブ建築協会(プレ協)など建設8団体の長に対し、あらためて労働災害防止の徹底を求める文書を安全衛生部安全課長・労働衛生課長・化学物質対策課長の連名で出した。当面は、がれきの処理や被災建築物などの解体などが優先的に行われるとみて、特に石綿ばく露や粉じん障害防止対策の徹底を要請した。
 同省は18日に安全課長と化学物質対策課長の連名通知を出し、労働災害への注意を促していたが、さらに具体的に労働災害防止を喚起することにした。
 連名通知は、被災した建築物やがれきなどの中には、吹付け石綿や石綿を含有した屋根材・内装材・床材などが混在し、被災建築物・工作物などの解体やがれき処理の際に石綿粉じんが飛散する可能性があることをあらためて指摘。
 建築物などの解体・改修の際には石綿含有の有無を調査し、石綿の含有が確認された場合は、石綿障害予防規則に基づいてばく露防止対策を講じるよう促した。
 具体的には、がれきの処理などに従事する人は▽防じんマスクか電動ファン付き呼吸用保護具を使用する▽作業開始前にあらかじめ散水・薬液を使用するなど湿潤な状態にする▽被災者も含め、関係者以外の立ち入りを禁止にする―ことを求めた。
 同省は、災害復旧に伴う作業での粉じんばく露を防止するため、日本保安用品協会から無償提供された2万人分の使い捨て防じんマスクを、岩手・宮城・福島・茨城・千葉―の6県の労働局の窓口で配布するとともに、復旧工事現場のパトロールの際などにも工事関係者に直接配布する考え。
 また、復旧工事などに従事する建設労働者だけでなく、壊れた家屋や敷地に出入りする被災者の石綿粉じんばく露も懸念されることから、建築物などの解体現場で石綿粉じん濃度の測定を行うことも検討している。

提供:建通新聞社