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2011/03/29

国交省 被災建設業の資金繰り円滑化へ地域建設業経営強化融資制度の積極活用を要請

 国土交通省は、東日本大震災などで被災した建設業の資金繰りを円滑化するため、工事請負代金債権を流動化させる「地域建設業経営強化融資制度」を積極的に活用するよう都道府県・政令市に要請した。また、下請けなどの連鎖倒産防止を目的とする「下請債権保全支援事業」をめぐり、被災した元請けの債権保証を積極的に履行するよう、保証ファクタリング会社などに求めた。
 「地域建設業経営強化融資制度」は、公共工事請負代金債権を流動化させ、それを担保に工事完了前の融資を可能とする仕組み。この制度を活用するには、発注者が工事請負代金の債権譲渡を承諾する必要がある。今回の震災では、施工中の工事目的物が被害を受けているケースが多いため、損害が発生した工事の請負代金債権と、損害のうち発注者負担額の債権を同時に債権譲渡するといった手続きを明確化した。震災以前に債権譲渡の承諾を得ている場合も同様に取り扱う。
 「下請債権保全支援事業」は、下請けや資材会社が持つ売掛債権(手形)の支払いについて、国がファクタリング会社に対して保証料の一部を助成するとともに、元請けが倒産した場合でも下請け代金などの債権を保全するもの。通常の契約では地震など不可抗力によって支払いが不可能となった場合、免責となる条項が設けられている。
 しかし、今回の震災では支払い不能となる可能性がある保証債権が少なくとも80件・4億円に達するとみられ、免責条項をそのまま適用すると、連鎖倒産防止という制度本来の趣旨を逸脱しかねない状況にある。
 このため、国交省はファクタリング会社に対して、積極的な保証の履行などを求めることにした。併せて、被災した元請けの保証引き受けについて、過度に消極的になることがないよう要請した。ただし、こうした措置の最終的な判断は各ファクタリング会社に委ねられる。
 両制度の利用などに関する問い合わせは、国土交通省総合政策局建設市場整備課 電話03(5253)8281、または各地方整備局の建設産業部局などで受け付ける。

提供:建通新聞社