国土交通省は、2010年度から直轄の土木工事で全面適用を始めた「総価契約単価合意方式」の実施状況をまとめた。10年12月末現在、単価合意済みの件数(ユニットプライス型積算方式は除く)は3327件で、このうち単価を個別に合意する「単価個別合意方式」が24%に当たる812件、単価を包括的に合意する「単価包括合意方式」が76%の2515件だった。単価個別合意方式を基本とする本官工事(予定価格3億円以上、北海道開発局は5000万円以上)のうち、関東地方整備局では3件で受発注者の協議が整わず、単価包括合意方式に移行した。
総価契約単価合意方式は、工事契約後に受発注者が細別ごとの単価を事前に合意しておくことで、難航しがちな設計変更協議を円滑化し、生産性を高めることが狙い。出来形に応じて請負金額を部分払いする「出来高部分払方式」を選択しやすい環境も整備され、受注者のキャッシュフロー改善への効果も期待される。10年度から直轄の土木工事(港湾空港工事)に全面適用した。
国交省がまとめた実施状況によると、12月末現在で単価合意済みの件数は3327件。このうち、単価個別合意方式が24%の812件で、内訳は本官工事は235件、分任官工事(予定価格3億円未満、北海道は5000万円未満)は577件だった。一方、単価包括合意方式は76%の2515件で、内訳は本官工事が265件、分任官工事が2250件。本官工事で単価個別合意方式となったのは適用基準が異なる北海道が262件と大半を占め、これを除くと関東の3件だけだった。国交省によると、関東で単価個別合意方式となった理由は「受発注者間の協議で単価合意に達しなかったため」だという。
使用頻度の高い細別を見ると、鉄筋が701件(合意率平均97・2%)、次いでコンクリート459件(同97・1%)、型枠425件(同97%)、表層415件(同97・1%)、埋戻し344件(同95・8%)、足場322件(同97・2%)などの順となった。個別に合意された単価は官積算と同水準の価格周辺が大半を占めたが、中には官積算の約5割増しとなったケースもあった。
提供:建通新聞社