国土交通省は18日、「高規格堤防の見直しに関する検討会」の初会合を開き、事業仕分けで廃止と判定された「スーパー堤防」事業の抜本的な見直しに向けた検討を始めた。首都圏と近畿圏の堤防整備の在り方や高規格堤防の新たな事業スキームなどを話し合い、7月をめどに検討成果をまとめる。国交省は得られた成果を2012年度予算に反映させる方針だ。
スーパー堤防は、利根川、江戸川、荒川、多摩川、淀川、大和川といった、背後に人口や資産が集積した低平地のある大河川を対象に、まちづくりや土地利用転換に合わせて幅の広い堤防を整備するもの。10年10月に行政刷新会議が実施した事業仕分けでは、整備率が低水準にとどまっており、事業費も過大との観点から「事業の廃止」が妥当と判定された。
このため国交省は、有識者で構成する検討会を設置し、事業の抜本な見直しを視野に具体的な対応の方向を探っていくことにした。座長は関東学院大学名誉教授の宮村忠氏が務める。
検討事項は現時点で、▽首都圏、近畿圏の堤防整備の在り方▽高規格堤防の整備区間▽コスト縮減策▽投資効率性の確認手法―を想定。さらに、まちづくりとの連携の在り方なども議論し、高規格堤防の新たな事業スキームを構築していく。
提供:建通新聞社