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2011/02/04

「労務単価に上乗せ規定を」 民主党・建設技能労働者賃金対策WGが提言

 民主党・国土交通部門会議の建設技能者賃金対策ワーキングチーム(座長・中川治衆議院議員)は、公共工事設計労務単価に関する提言をまとめた。労務単価の設定手法について「デフレスパイラルを加速する構造を持っている」と指摘した上で、労務費調査によって設定される労務単価に必要な金額を上乗せできる規定を設けるため、会計法予決令の改正に向けた検討などを求めている。
 提言は、労務単価の低落を招く要因として▽いわゆる「歩切り」によって、設計価格がそのまま予定価格に採用されないことがある▽受注価格は競争入札で決定されるため、落札率の分だけ労務単価は低落する▽元請けから下請けへの外注時に、下請け同士の相見積もりで一式外注されるために、労務費が外注費に切り替わることで低落する▽下請けの重層化により、各段階で経費が差し引かれる―ことを挙げ、市場価格だけに重点を置いた労務単価システムの抜本的な是正が必要と指摘した。
 具体的には、労務単価が活用される予定価格について「取引の実例価格だけを基準に設定している現行の法運用に問題がないか」を検討するよう、国土交通省に要望した。また、労務費調査の結果を基準としつつ、多方面からの検討を加えて、労務単価に一定金額を上乗せする「上値補正」が可能となるよう、会計法予決令に規定を追加することも提案した。
 さらに「普通作業員、軽作業員、交通誘導員A・Bの労務単価が低すぎる」として、「これ以上の引き下げは断じて行うべきではない」と強調した。

提供:建通新聞社