日本建設業団体連合会(日建連、野村哲也会長)は27日、2010年1年間の受注実績調査結果(速報)を発表した。それによると、法人会員48社の受注総額は9兆5300億円で、前年と比べ2・7%増えたものの、2年連続で10兆円割れとなった。法人会員数が43社だった1980年(9・8兆円)ごろの水準。民間のうち、不動産業、サービス業は、引き続きマンションなどの受注が低調ながらも、前年からの反動増で二けたの伸びを示した。
国内の受注は8兆9890億円で前年と比べて1・5%増。金額にして131億円のプラスとなった。ちなみに、09年の国内受注額は、08年と比べて3兆3520億円の大幅なマイナスだった。
民間は6兆7290億円で6・8%増えた。過去10年間では09年に続いて下から2番目の水準。製造業は9・7%減、非製造業は10・5%増加した。
製造業は、09年に前の年と比べて半減した「不動産業」(26・7%増)のほか、「サービス業」(12・4%増)、「情報通信」(33・1%増)が大きく伸びた。不動産業は、マンションのほか再開発関連のオフィスビル、サービス業は医療・福祉施設が年間を通して堅調だった。
官公庁は2兆2390億円で10%減った。過去3番目に低い水準。
国の機関は14・4%減。内訳は、直轄が24・4%減、独立行政法人が27・8%減でいずれも大幅な減少。政府関連法人は16・6%増えた。
地方の機関は0・1%減少した。都道府県が2・5%増、市区町村が0・9%増、地方公営は21・1%減った。
海外は5410億円で29・2%の大幅増となった。半減した前年の反動増が要因の一つ。
今回の結果について日建連の担当者は、「(前年比プラスは)3月に大規模プロジェクトが集中し、一時的に実績が伸びたのが要因。だが、4月以降は(低水準のまま)一進一退の状態。受注環境が好転したとは言えない」との見方を示した。
提供:建通新聞社