国土交通省は情報化施工の一層の推進に向けて、ICT(情報通信技術)を活用して施工する専門工事業者やオペレーターに対する評価の検討など、工事発注者が取り組むべき9項目の課題をまとめ、25日の情報化施工推進会議(委員長・建山和由立命館大学教授)に示した。今後、各課題に対する具体的な取り組み内容を詰めて、2011年度早期に開催予定の次回推進会議に報告する。
今回まとめた課題は、08年7月に策定した「情報化施工推進戦略」で掲げた28の課題を基本に、業界との意見交換や試験施工のアンケート結果などを踏まえて、工事発注者として取り組むべき事項をあらためて整理したもの。
具体的には、▽バックホウ技術の普及促進▽ブルドーザ技術の普及促進▽情報化施工技術の特性に応じた基準・要領の策定▽TS(トータルステーション)/GNSS(衛星航法)締固め管理の基準・要領の策定(厚さ管理の導入)▽舗装工のTS出来形管理の基準・要領の策定▽土工のGNSS出来形管理の基準・要領の策定▽情報化施工技術活用のさらなるインセンティブの付与▽技術力を持った専門工事業者やオペレーターの評価▽二次元データの三次元化の効率化―の9項目。
このうち、バックホウとブルドーザ技術の普及促進は、3次元情報を基に建設機械を誘導・制御するマシンガイダンス(MG)・マシンコントロール(MC)の導入費用が高額で普及が進まない状況に対応。導入コストが安価な2次元MG・MCで十分対応可能な工事の適用範囲を、11年度の試験施工などを通じて明確化する。
情報化施工の特性に応じた基準・要領は、ICTを活用した施工管理や受発注者協議などを含む、施工現場全体の効率化を目指すモデル工事を実施した上で個別に策定する。10年度内にモデル工事のイメージや実施内容の検討と、対象工事の選定を進め、11年度からモデル工事を実施。その後の基準・要領の策定につなげる。
専門技術者・オペレータの評価は、情報化施工に対する評価が、総合評価や成績評定など、ゼネコンを対象としたものしかない現状を改善するために検討する。情報化施工導入現場での専門工事業者の実態を10年度中に把握し、どのような評価が可能かを11年度に検討する。
提供:建通新聞社