政府は、都市の国際競争力を高めるための「都市再生特別措置法改正案」や、高齢者向け住宅の確保に向けた「高齢者住まい法改正案」など、国土交通関連8法案を24日召集の次期通常国会に提出する。この中には、港湾の拠点化に向けた「港湾法等改正案」や、交通関係施策の基本理念などを示す「交通基本法案」なども含まれる。
都市再生特別措置法改正案では、特定都市再生緊急整備地域制度や都市開発事業の促進に向けた金融支援制度、都市再生に貢献する工作物に対する道路占用許可基準の特例制度などを創設する。
高齢者住まい法改正案は、居住面積やバリアフリーといったハード面と生活支援サービスなどのソフト面でともに基準を満たした住宅を「サービス付き高齢者向け住宅」(仮称)として登録する制度を設ける。登録された住宅には、建設費の補助や税制優遇などの支援措置を講じる。
港湾法などの改正に向けては、国際基幹港湾(国際コンテナ戦略港湾)と国際拠点港湾(特定重要港湾)を追加し、これらの港湾で国交省が実施する港湾工事の範囲や国庫負担割合を定めるとともに、港湾経営の一体化を促進する制度を設ける。
交通基本法案では、交通に関する施策を総合的・計画的に推進するため、交通関係施策の基本理念を定めるとともに、国・地方公共団体・事業者などの責務を明確化する。
このほか、▽地域の実情に応じた踏切改良を促進するための「踏切道改良促進法改正案」▽関西国際空港と大阪国際空港の一体運用に向けた「関西国際空港及び大阪国際空港の一体的かつ効率的な設置及び管理に関する法律案」―などの提出も予定。前国会で継続審査となった、家賃債務保証業登録制度の創設を柱とする「賃貸住宅における賃借人の居住の安定確保を図るための家賃債務保証業の業務の適正化及び家賃等の取立て行為の規制等に関する法律案」も審議される見込みだ。
提供:建通新聞社