公共調達システムの改革に向けた新法の制定に向けて、超党派の参議院議員で構成する「公共調達適正化研究会」(仮称)が発足した。予定価格の上限拘束性の見直しを視野に入れながら、次期通常国会会期中に新たな法案をまとめる方針だ。
12月28日の初会合では、呼び掛け人の一人である自民党の脇雅史氏が「価格競争が行き過ぎた結果、建設業の大半は赤字が続き倒産の瀬戸際にある。建設業がだめになれば、地方、そして日本がだめになる」と危機感を表明した。
その上で「会計法や地方自治法という(価格競争の)原点を壊さなければ物事は動かない」と述べ、公共工事品質確保促進法よりも踏み込んだ立法の必要性に言及した。建設産業の再生方策を探る目的で国土交通省が設置した「建設産業戦略会議」での議論の方向性を見定めつつ、法案の作成作業を進めていく考えだという。
初会合には、国交省側から大森雅夫大臣官房建設流通政策審議官らが出席し、▽建設投資がピーク時から約52%減▽建設業者数がピーク時から約15%減―といった建設業の現状を説明した。また、ドイツ、米国(カリフォルニア州)、英国、フランスなど欧米諸国では、予定価格に上限拘束性がないことなどを示した。
研究会のメンバーは次の通り(12月28日時点、敬称略)。
【民主党】
▽羽田雄一郎▽藤本祐司▽川崎稔▽米長晴信
【自民党】
▽脇雅史▽吉田博美▽佐藤信秋
【公明党】
▽魚住裕一郎▽長沢広明▽横山信一
【みんなの党】
▽上野ひろし
提供:建通新聞社