トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2010/12/16

国交省 地域建設業の金融支援を強化 22日から運用開始

 国土交通省は、地域建設業への金融支援を12月22日から強化することを決めた。中小建設業の資金繰り支援策である「地域建設業経営強化融資制度」と、下請け企業などの連鎖倒産防止に向けた「下請債権保全支援事業」について、対象範囲などを拡充するとともに事業期間を2011年度末まで延長する。その実現に向けて、10年度補正予算に約32億円を計上した。
 地域建設業経営強化融資制度は、公共工事請負代金債権を流動化させ、それを担保に工事完了前の融資を可能とする仕組み。今回、公共工事に限定していた工事の対象を病院や福祉施設、学校、PFIなどの公共性の高い民間工事にも広げる。同制度の窓口となる事業協同組合などのうち、計14事業者が12月22日から民間工事の融資に関する相談に対応する。
 工事完了後に発注者から融資事業者に支払われた工事代金が、確実に元請けへと引き渡されるよう、債権譲渡契約証書様式の一部も改める。
 下請債権保全支援事業は、下請けや資材会社が持つ売掛債権(手形)について、国がファクタリング会社に対して支払保証料の一部を助成するとともに、元請けが倒産した場合でも債権を保全するもの。
 拡充に当たっては、保全対象とする元請けの要件について「過去2年間に公共工事の受注実績があること」としていた点を「経営事項審査の受審企業」に見直す。これによって、潜在的な対象企業数は約15万社と、これまでの2倍以上に増加する。
 また、保証枠方式という手法をオプションとして新たに導入することで、下請契約締結時点で保証が申し込めるようにする。これまでの個別保証方式も存続させ、二つの手法を組み合わせて活用することを可能とする。
 保証枠方式の活用に関する相談は、同制度に参加しているファクタリング会社10社のうち、▽北保証サービス▽建設経営サービス▽SMBCファイナンスサービス▽三菱UFJファクター▽東京センチュリーリース▽オリックス▽建設総合サービス―の7社が12月22日から対応する。残る3社も11年1月以降、順次対応を始める見込みだ。

提供:建通新聞社