国土交通省は、地域建設業による新たな市場開拓の取り組みを支援する「建設企業の連携によるフロンティア事業」を創設した。複数の建設業が新たに人材を雇用しながら、成長分野での新事業に連携して取り組むことに対し、1000万円を上限に国費で助成する。2011年2月15日〜2月28日(必着)まで各地方整備局などで提案を受け付ける。事業の新規性・革新性などを審査し、4月中旬に100件程度を選定する方針だ。
この事業は、08年度第2次補正予算で設けた「建設業と地域の元気回復助成事業」のスキームを活用しながら、新たな市場の開拓とともに、建設業の連携強化や新規雇用の確保に結びつけていくことが狙い。10年度補正予算に11億円を計上した。
応募主体の要件は、▽少なくとも2社以上の建設業による連携体(必要に応じて異業種や研究機関などを構成員とすることは認める)▽連携体、またはその構成員が、新たに技能者、技術者、若年者などの人材を1人以上雇用する(予定する事業期間の過半を超える期間で事業終了まで雇用し、期間終了後も継続雇用の見込みがあること)―とする。
助成対象となる事業は、@インフラの維持管理や建物のリフォーム・リニューアル、エコ改修、耐震改修、官民連携といった成長が見込まれる分野での新事業A施工技術やノウハウを活用した新しいサービスの提供など、工事請負以外での新事業(CM、施工代理店など)B農林水産業、観光業、介護、環境など異業種の成長分野での本格的な事業化―などを想定している。ただし、これ以外でも市場開拓に役立つような提案は認める。異業種での取り組みは、元気回復助成事業よりも審査のハードルが高まる見込みだ。
助成金額は1000万円を上限とするが、12年1月の時点で事業の熟度が高く、当初の事業計画以上の成果を残した連携体を10件程度選び、さらに500万円を上乗せする。採択されれば、調査研究費や機械装置・工具購入費(総額の4分の1以内)、販売促進費、試行的実施費用(総額の4分の3以内)、新規雇用費(月額1人10万円以内、総額の2分の1以内)など幅広い用途に充てることができる。
審査に当たっては、事業内容の新規性・革新性に加え、事業手法の的確性、事業の実現可能性、雇用創出効果などを評価する。
国交省は応募希望者向けのブロック別説明会を1月に全国9ブロックで開く。関東ブロックは、浜離宮建設プラザ(中央区)で1月19日午後1時30分からの開催を予定。説明会に参加していなくても応募は認める。同事業の募集要領は、国交省のホームページ(http://www.mlit.go.jp/report/press/sogo14_hh_000180.html)から入手できる。
提供:建通新聞社